
MPIジャパンチャプターは、12月16日、「IDOBATA KAIGI #15『海外のMICE動向:見本市から見るトレンド2 海外見本市レポート』」をオンラインにて開催いたしました。本イベントでは、海外で開催されたMICEの主要な見本市および国際会議への参加報告を通じて、世界のMICE市場の最新動向や今後の取り組みの参考となる視点が共有されました。
はじめに、11月にスペイン・バルセロナで開催されたIBTM Worldについて、主催者であるRX ISG Japanの平野氏より報告がありました。IBTM Worldは、来場したバイヤーの49%が欧州以外からの参加であり、MICE市場におけるグローバル化が着実に進展していることが示されました。出展者数は2,500社を超え、事前に設定された商談数は約79,000件と、前回より8%増加しており、MICE業界全体の回復と活況を感じさせる結果となりました。日本からは、JNTOおよびTCVBのパビリオンに加え、複数の企業が出展しました。
会場では、各国・地域が創意工夫を凝らしたプロモーションを展開しており、特に欧州諸国では飲食の提供を通じたホスピタリティ重視の演出が目立ちました。また、韓国、トルコ、アジア諸国や中東地域では、「イベントのプロフェッショナル」を強く意識したPR手法が年々洗練されており、ブース内にとどまらず、会場通路なども活用した積極的な情報発信が行われていました。近年はアフリカ諸国の存在感も高まりつつあり、中東諸国では二階建ての大型ブースが多く見られるなど、競争の激化が感じられました。

また、今回は在バルセロナ日本国総領事公邸においてレセプションが開催されました。日本の出展者に加え、カタルニア州政府関係者も参加し、日本の積極的なMICE誘致の姿勢や官民が連携した「ALL JAPAN」としての体制を対外的に発信する貴重な機会となりました。
出展者からのコメントとして、(株)JTBコミュニケーションデザインの佐々木氏より、想定以上に多様な国・地域のバイヤーが来場していたとの報告がありました。エージェントが多い一方で、アソシエーション主催者と直接意見交換できる機会もあり、日本の出展者同士が連携し、バイヤーのニーズに応じて相互に紹介を行えた点が成果につながったと述べられました。
続いて、10月に米国ラスベガスで開催されたIMEX Americaについての報告が行われました。今年は参加者数が前年より11%以上増加し、事前アポイントも7%増え約92,000件を記録しましたが、一方で米国における物価高や政治的要因の影響により、ブース施工がシンプルになる傾向も見られました。

出展者の立場からは、プリンスホテルの片倉氏より、日本での企業ミーティングやインセンティブ旅行への関心が非常に高く、複数都市を周遊したいという要望や、日本文化を体験したい等のニーズが多く寄せられたとのことです。また、ブース運営を担当した森原氏からは、主要都市のみならず地方都市に関する情報を既に把握しているバイヤーも多く、ビジネスだけでなく個人的な旅行意欲の高さも感じられたとの報告がありました。最後に、ポルトで開催されたICCA総会について、(株)DMCの大谷氏より参加報告が行われました。81か国から約1,500名が参加し、市内9施設を活用して開催されました。総会のテーマは、「Impact & Sustainability」, 「Future Leadership & Resilience」 「Innovation & Technology」, 「Creative Edge」の4つ。木製素材の活用、CO2排出量の可視化、脱プラスチックやフードロス対策、多言語対応など、実践的な取り組みが紹介されました。一方で、公共交通機関や徒歩移動を前提としたエリアMICEにおいては、時間管理とのバランスといった課題も見えてきたとのことです。
本イベントを通じて、海外MICE市場の回復と競争の激化、日本への継続的な高い関心、そしてサステナビリティへの対応が、今後のMICE誘致・推進において重要な視点であることが改めて確認されました。
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